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疫学・病型・ステージ分類

悪性黒色腫の疫学

悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚のメラノサイトまたは母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられています。その発生原因は不明ですが、紫外線や外的刺激の影響が関与しているといわれています1)。 悪性黒色腫の発症部位は皮膚が最も多いですが、メラノサイトの存在する口腔・鼻腔・食道・直腸・外陰部などの粘膜や眼に発症する例もみられます2)

悪性黒色腫の発生頻度には人種差があります。白色人種では悪性黒色腫の発生頻度は非常に高いですが、アジア系人種を含むその他の人種ではきわめて低くなっています2)。 アジア系である日本人にはまれながんで、2017年の国内における患者数は約5,000人3)と推定されています。2018年の日本においては、皮膚がんによる死亡者数1,622人のうち約40%(654人)が悪性黒色腫によるものであり4)、皮膚がんの中でも死亡に至る割合が高く、病状がさらに進行し、遠隔転移した状態で診断されると予後は極めて不良であるといわれています5)

ステージ(病期)分類6)

悪性黒色腫の代表的なステージ分類としては、American Joint Committee on Cancer(AJCC)/Union for International Cancer Control(UICC)が作成した分類があります。AJCC/UICC分類では、原発腫瘍の厚さと潰瘍の有無、領域リンパ節の転移の有無、遠隔転移の有無によってステージを決定します。原発巣の厚さと潰瘍の有無で分けられるステージIとステージII、領域リンパ節転移を認めるステージIII、領域リンパ節を越えた皮膚、皮下組織またはリンパ節への転移や遠隔臓器への転移を認めるステージIVに分類されます。

ステージIA、ステージIB

ステージIAは、厚さが0.8mm未満で、潰瘍を伴わない腫瘍
ステージIBは、厚さが0.8mm未満で潰瘍を伴う腫瘍、または潰瘍の有無に関係なく、厚さが0.8mmを超えるが1mm以下の腫瘍、厚さが1mmを超えるが2mm以下で潰瘍を伴わない腫瘍

ステージIA and ステージIB イメージ図

ステージIIA、ステージIIB、ステージIIC

ステージIIAは、厚さが1mmを超えるが2mm以下で潰瘍を伴う腫瘍、厚さが2mmを超えるが4mm以下で潰瘍を伴わない腫瘍
ステージIIBは、厚さが2mmを超えるが4mm以下で潰瘍を伴う腫瘍、厚さが4mmを超えて潰瘍を伴わない腫瘍
ステージIICは、厚さが4mmを超えて潰瘍を伴う腫瘍

ステージIIA, ステージIIB, and ステージIIC イメージ図

ステージIII

ステージIIIは、原発巣の厚さと潰瘍の有無(T分類)に関係なく、領域リンパ節転移が認められた状態です。

ステージIII イメージ図

ステージIV

ステージIVは、原発巣の厚さと潰瘍の有無(T分類)や領域リンパ節転移に関係なく、遠隔転移が認められた状態です。

ステージIV イメージ図

日本の疫学調査では、ステージIの120ヵ月(10年)生存率は90%、ステージIIの120ヵ月(10年)生存率は72%、ステージIIIの120ヵ月(10年)生存率は54%、ステージIVの80ヵ月(6年8ヵ月)生存率は7%と報告されています5)

悪性黒色腫の病型分類1)

悪性黒色腫は、大きく悪性黒子型、末端黒子型、表在拡大型、結節型に分類されます。また、これらの分類があてはまらない病型として、爪下型ALM、粘膜型があります。

悪性黒子型
(lentigo maligna melanoma; LMM)
主に高齢者に生じ、顔面、手の甲、頸部など日光によく当たる部位に好発します。
末端黒子型
(acral lentiginous melanoma; ALM)
日本人を含む非白人で最も多い病型で、足の裏に好発します。初期は色素斑を生じ、濃色変化を経て結節や潰瘍を生じます。
表在拡大型
(superficial spreading melanoma; SSM)
白人で最も多い病型で、体幹や末端部以外の四肢に好発します。色素斑からやがて隆起を生じ、表面と辺縁の不整、色調は濃淡となります。
結節型
(nodular melanoma; NM)
最初から立体的な形をしており、病変周囲に色素斑はありません。全身のどこにでも生じます。
爪下型ALM 爪下に発現した末端黒子型の悪性黒色腫です。
粘膜型 口腔内などに生じる悪性黒色腫です。

日本皮膚悪性腫瘍学会の皮膚がん予後統計調査委員会が2005年~2017年の13年間に収集した悪性黒色腫4,594例の解析では、悪性黒色腫の各病型の割合は、末端黒子型が40.4%、表在拡大型が20.5%、結節型が10.0%、粘膜型が9.5%、悪性黒子型が8.1%であり、末端黒子型の占める割合が最も高いといえます7)

  1. 1)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 悪性黒色腫 (第3版). 2017
  2. 2)清原祥夫. 肉眼的診断 28-35. 古江増隆総編集, 皮膚科臨床アセット17 皮膚の悪性腫瘍. 2014. 中山書店
  3. 3)厚生労働省. 平成29年(2017年)患者調査の概要
  4. 4)「がんの統計'19」 公益財団法人がん研究振興財団
  5. 5)Ishihara et al., Int J Clin Oncol 2008; 13:33-41
  6. 6)公益社団法人日本皮膚科学会, 他. 皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版 メラノーマ診療ガイドライン2019. 日皮会誌 2019; 129: 1759-1843
  7. 7)Fujisawa et al., Cancer Med 2019; 8(5):2146-2156

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