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BRAF変異・検査概要

悪性黒色腫患者の中には、遺伝子変異の発現がみられることがあります。悪性黒色腫の主な遺伝子変異には、BRAF変異、NRAS変異、KIT変異、PTEN変異、GNAQ・ GNA11変異があります1)

BRAF変異は悪性黒色腫の遺伝子変異でもっとも多くみられ、変異率は白人患者で約50~70%、日本人患者で約30%と報告されています2)

MAPK経路とBRAF1, 2)

MAPK経路は、細胞の増殖や生存を促進する経路です。MAPK経路では、成長因子が受容体型チロシンキナーゼに結合すると RASが活性化し、RAF、MEK、ERKといった蛋白質が次々にリン酸化されます。通常、BRAFが活性化するとMEKにシグナルが伝わって活性化され、そのMEKからERKへ、というように順次シグナルが伝達され、正常な細胞の増殖・生存が起こります。

しかしBRAF遺伝子が変異すると、BRAFが常に活性化した状態となります。BRAFが活性化状態のままになると、シグナルが過剰に送り出されるため、MAPK経路が通常時よりも活発になり、細胞増殖・生存が無秩序に起こります。

BRAF遺伝子変異をもつ悪性黒色腫の特徴

日本の悪性黒色腫における遺伝子変異率を示します。もっとも多いものはBRAF変異であり、約30%を占めます。ついでNRAS変異、KIT変異の順とされます2)

●135名の悪性黒色腫患者(2004年4月~2014年1月, stageⅡ以上)についてのBRAF, NRAS, KITの遺伝子検査結果2, 3)

遺伝子変異 変異率
(%の数字は白人の変異率)
臨床的特徴
BRAF変異 約30%
(50~70%)
若年者
頭部、頸部、体幹、四肢発症例
NRAS変異 7~10%
(15~25%)
高齢者
肢端部(白人の場合は体幹や四肢)
KIT変異 4~5%
(2~6%)
高齢者
肢端部、粘膜部


BRAF変異の特徴を示します2)

  • wild type(遺伝子変異なし)、NRAS変異群、KIT変異群に比較して若い症例が多いとされています。
  • 40歳以下の女性患者では、90%にBRAFV600Eが認められました。
  • BRAF変異の80~90%がV600E変異で、10~20%がV600K変異です。BRAF V600K変異はBRAF V600E変異に比較して高齢者に多く予後不良です。

※BRAF変異はV600E変異、V600K変異、V600D変異、V600R変異などが知られています。

BRAF遺伝子の検出方法と注意点2)

悪性黒色腫の分子標的治療のためのBRAF遺伝子変異の検査は、承認された体外診断薬を用いて行います。

  • 1) Bello DM, et al. Cancer Control. 2013; 20(4): 261-281
  • 2) 芦田敦子, 他. MB Derma 2015; 230: 63-68
  • 3) Uhara H, et al. Int J Clin Oncol, 2014; 19: 544-548

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